働き方

ベンチャー企業10人規模のオフィスは何坪(平米)?選び方や働きやすくする方法

会社を立ち上げ、社員の採用も進んで仕事も本格的に動き出してきた、そうなると次は 「オフィスをどうしよう?」という悩みがあります。

・10人規模のオフィスってどのくらいの広さが必要なの?
・働きやすいオフィスの条件には何があるのだろう?
・物件情報があり過ぎてどうやって選べばいいかわからない!

などにお悩みの10人規模のベンチャー・スタートアップ企業の会社代表者様や担当者様向けに、広さの目安や働きやすいオフィスの特徴、オフィス選びのポイントを詳しく解説しています。

ぜひ最後までお読みいただき、オフィス選びにお役立てください。

10人規模のオフィスの面積の目安

オフィスを選ぶときの1人あたりの面積は3坪が目安といわれています。スタッフ10人ならば30坪ということになりますが、これにはワークスペースだけでなく、エントランスや会議室、キャビネットなどの収納スペース、スタッフのリフレッシュスペースといった共有スペースも含まれます。                           

もちろんすべての会社に当てはまるわけではありません。来訪者が多い、設備や資料が多いといった業種ではもっと広く必要になります。逆に、ペーパーレス化やテレワークが進んでいる場合にはもう少し狭くても問題ありません。実際、東京23区では1人あたりの面積が3坪未満というオフィスが3〜4坪のオフィスと同程度存在するという調査結果があります。

オフィスの広さを決めるときには、1人あたりの面積を十分確保するということが重要ですが、賃料や光熱費などのコストが高くなるというデメリットがあるので、必要以上に広くすることは避けた方がよいでしょう。

ワークスペースは1人あたり1坪あれば十分です。あとはミーティング、収納、設備・機器類のスペースを効率的に設計することで狭くても快適な作業環境を作ることは可能です。

まずは自社のワークスタイルを明確にし、どのくらいの広さが適切なのかを事前に把握しておくことがオフィス選びには不可欠です。
また広さの設定にあたっては、業務内容とは別に法律による規制もありますので、この点についても配慮が必要です。

10人規模のオフィスの選び方のポイント

ここでは10人規模のオフィスを選ぶ時のポイントについて説明いたします。

狭くて小さいオフィスでも大丈夫

スペースの決め方はいくつかありますが、業務量の見通しが不透明ですし、経費を抑えるためにもまずは必要最低限の広さがあれば大丈夫です。
ビジネスがこれからどのくらいのペースでどのくらいの規模に拡大していくのかは不確かなので、事業のフェーズに合わせたオフィスを選ぶことで余分な支出を抑えることができます。

ただし業種によっては最初からある程度、広さに余裕が必要になります。

例えば

・不動産業
・金融(保険や証券)
・法律事務所
・会計事務所

などです。こうした業種は恒常的に来客者が多いからです。
そうでないのなら、広いスペースは必要ありません。

できれば1フロア1テナント

可能であれば1フロア1テナントの物件を選びましょう。
同じフロアには自社のスタッフしかいないので、セキュリティの面で安全性が高くなります。

トイレは男女共用でOK

オフィスを決めるとなると水廻りも気になるところです。
特にこの規模ですと専有部分に男女独立したトイレは難しいでしょう。そうなると男女共用で1か所のトイレが一般的です。音が気になる場合には音姫などの擬音装置の設置などで対応可能です。
また、トイレがある場所も確認しましょう。共有部分にある場合は掃除や消耗品の補充などの管理はビルの管理会社が行ってくれます。

24時間、土日も使える物件

オフィスを借りる際はセキュリティ面も重要ですが、あまりにもセキュリティがしっかりしすぎていてもベンチャー・スタートアップ企業にとっては使いづらくなる場合があります。少々ゆるくても24時間、土日も使用できる物件の方がおすすめです。

24時間、土日も使用できる物件には
・夜間や休日にも仕事をする場合自由に出入りができる
・急な打ち合わせや資料作成が発生した場合でも対応できる
・早朝や夜間の静かな時間帯に仕事ができる

といったメリットがあります。

周囲の環境も重要

会社は仕事をする場所ですが生活する場でもあります。
業務以外の利便性も考慮することで仕事のモチベーションを高く保つことができます。

・駅近やバス停からの距離など、通勤に便利な場所であること
・オフィス近隣の飲食店やコンビニの有無(会社員にとってランチは重要テーマです!)
・日用品や事務用品を売っている店舗が近いこと

10人規模で働きやすいオフィスにするためのポイント

場所が決まれば次は仕事をする環境を整えます。
10人規模のスタートアップ・ベンチャーで働きやすいオフィスにするためのポイントを解説します。

会議室はあるに越したことはない

この事業規模であればオープンミーティングで、その場で話し合うことが多いと思いますが1on1や個別のチームミーティング、外部とのオンライン会議など、その場での打ち合わせが難しいこともあります。会議室がない場合、近くのカフェや貸しスペースなどを活用するケースもありますが、予算に余裕があれば会議室のあるオフィスのほうがストレスフリーに使えます。

会議室が作れない場合には、パーテーションなどを使い会議スペースを工夫しましょう。

鍵はスマートロックに

オフィスの鍵はスマートフォンと連携できるタイプのスマートロックがおすすめです。

スマートロックにはオートロック機能があるので締め忘れのリスクを減らせます。また物理キーが不要になるので、紛失したり複製されたりするリスクを減らせます。
それ以外にもスマートフォンアプリなどから、遠隔操作で施錠・解錠や、解錠権限の付与や削除が簡単に出来ます。また、いつ・誰が解錠したかの履歴が残るので、入退出管理システムとしても利用できます。

オフィス利用のルールを決める

スタッフが快適に働ける環境を作り、さまざまなトラブル防止、業務効率の向上のためにオフィス利用のルールを決めておくことが必要です。

オフィス利用のルール策定の際はスタッフの意見を取り入れることが大切です。そして社内ルールは全員を対象にしましょう。社長や一部の役職者を対象外にすると、不公平感が生じて、スタッフの不満につながる可能性があります。また、複雑なルールにしないということも大切です。

例えば
・照明や空調のON/OFFの担当とタイミング
・廃棄物の処理方法
・共有スペースの使い方
・私物の持ち込み制限
・共有物品の使い方
・整理整頓清掃の方法

などです。あらかじめルールを決めておけば業務の無駄やトラブルの発生を防ぎ、働きやすいオフィスづくりを実現できます。

フリーアドレス?固定?どっちがおすすめ?

オフィスの座席運用には「フリーアドレス」と「固定席」があります。

それぞれ「メリット・デメリット」がありますが、ベンチャー企業の創業期で10人規模であれば、「固定席」が良いでしょう。

固定席のメリットとして、「コミュニケーションが取りやすく社内の一体感が生まれやすい」「座席を探す時間や準備の手間がかからない」「個々にワークスペースがあり利便性が良く、安心感がある」といったことが挙げられます。どれも業務の効率化に直結するので、規模が拡大するまでは固定席にするのがおすすめです。

椅子には予算をかける

初期費用を抑えるなかでも、仕事をする椅子には予算をかけてください。スタッフの健康と生産性に影響します。

選び方としてはエルゴノミクス(人間工学)に基づいた椅子がおすすめです。長時間の作業でも腰や肩、首への負担を減らすことができます。
値段は張りますが、良い物を使えば長期間使えますし、長い目で見ると費用対効果は高いです。

あったほうがよいもの、なくてよいもの

備品や什器についても悩むところです。参考までに「あったほうがよい」ものと「なくてもよい」ものをいくつかご紹介します。

あったほうがよいもの

・ホワイトボード
・複合機
・シュレッダー
・テーブルタップ・延長コード

これらは必須です。

プラスであるとよいもの

・空気清浄機
・加湿器
・ウォーターサーバー
・防災セット

なくてもよいもの

・社長席(室)
・エントランス、受付
・高価な応接セット
・過度な飾りつけ

業務優先でいきましょう!

小規模オフィスの他の選択肢

ここまで貸オフィスを前提に解説してきましたが、IT系の会社で荷物の出入りが特に必要ない場合は他にも選択肢があります。それぞれのメリット・デメリットについて説明します。

     種類         メリット    デメリット
バーチャルオフィス費用を抑えられる
プライバシーが守られる一等地の住所を使える
別途作業スペースが必要
顧客のイメージが悪くなる法人登記できない場合がある
シェアオフィス費用を抑えられる
人脈拡大にチャンスがあるオフィスの拡大縮小が可能
セキュリティーに不安がある
周りの人や音で集中できない追加料金が発生することがある
コワーキングスペース費用を抑えられる
管理の手間がないビジネスチャンスの拡大
仕事に集中できない場合がある
セキュリティーに不安がある口座開設や融資で不利になる

また、サービスオフィスやレンタルオフィスといったものもありますが、費用が割高だったり制約が多かったりで、ベンチャー・スタートアップ企業には選ばれないようです。

10人規模のオフィスのレイアウトサンプル

30坪のオフィス

30坪のオフィスのサンプルレイアウトです。
どちらも会議室を設けたレイアウトとなっています。

40坪のオフィス

40坪のオフィスのサンプルレイアウトです。
これくらいの広さがあると会議室を設けてもスペースに余裕があります。

まとめるとポイントは3つ

オフィス選びは選択肢が多いので、自社に見合ったオフィスを選びましょう!

その選択が仕事の質や量に大きく影響します。

仕事が優先、本当に必要なものからそろえていけばOKです。見た目やイメージに惑わされずに状況に適した選択をすることが大切です。

ポイントは以下の3点です。

1.広さは最小限でも大丈夫
2.備品や設備は必須アイテムのみでOK
3.事業規模やフェーズに合わせて移転を考える

あなたにとって最適なオフィスが見つかり、ビジネスがうまくいくことを祈っています。