オフィスづくり

法人インターネット回線の選び方とおすすめを紹介

インターネット回線には、ビジネスに多くのメリットがある法人向け回線があります。オフィスの規模や従業員数に関わらず、現代のビジネスにインターネット回線は不可欠です。特にリモートワークやオンライン会議も増えている昨今では、安定した回線とセキュリティ対策は重要な要素となっているでしょう。

本記事では、法人回線と個人回線の違いについて解説し、さらに大手回線業者のサービス比較と選び方についても紹介します。

法人回線と個人回線契約の違い

普段プライベートで利用されている個人回線に満足されている方は、法人回線にどのようなメリットがあるのか疑問に思われるかもしれません。法人インターネット回線の4つの特徴と、個人回線との違いについて紹介します。

固定IPを選べる

法人回線の代表的なメリットには、固定IPアドレスを選べる点が挙げられます。IPアドレスとは、インターネット利用においてPCやスマホなどの端末に割り振られる住所のようなものです。このIPアドレスには動的IPと固定IPの2種類があり、普段の生活で私達が個人利用しているのは動的IPになります。

動的IPは利用の度にIPアドレスが変わりますが、固定IPは変わらないため、よりプライベートに利用できる特徴があるのです。企業内で情報を共有したい場合、固定IPがあれば限られた人物のみアクセスできます。また独自にサーバーを構築し、インターネット上に情報を公開したり、サービスを展開したい場合にも固定IPが最適です。活用次第で、様々な用途や可能性を見出せるのが固定IPのメリットになります。

安定した通信速度

個人回線を使用していると、回線の混雑や通信制限などにより、通信速度が低下するケースがあります。プライベートでの個人利用なら我慢できる面もありますが、不安定な通信速度ではビジネス用途には適しません。

法人回線ではこうしたトラブルを避けるために、個人利用といった一般の回線からは分離させることで、混雑などの影響を受けない安定した通信速度が実現されています。

セキュリティサービスのレベルが高い

個人回線に比べ、法人回線はセキュリティサービスのレベルが高いのも大きなメリットです。ビジネスに関わる機密性の高い情報を取り扱う際に不安なのは、インターネットを通して漏えいするリスクにあります。

固定IPを選択すれば、インターネット上に固有の住所を取得するのと同じことになるので、セキュリティ対策としても有効なのです。これに加え、ファイアウォール、フィルタリングや有害サイトのブロッキング機能といった法人向けのセキュリティサービスで補強することにより、情報漏洩やハッキングなどからしっかり防御できます。

安全安心のサポート体制

現代の生活だけでなく、ビジネスにおいてもインターネットは不可欠なインフラとなっています。最近ではオンラインでの会議や商談も当たり前になってきており、インターネット回線のトラブルは、業務に大きな悪影響を及ぼします。

仮に回線トラブルが起きた場合でも、法人回線には手厚いサポート体制があるので、スムーズかつスピーディな復旧が可能です。法人回線には、個人回線にはない安全安心のインターネット環境が整えられています。

法人向けインターネット回線の選び方・比較

法人向けインターネット回線の特徴について紹介しましたが、次に頭を悩ますのはどのサービスを選べばいいのかでしょう。こちらでは、代表的な法人向けインターネット回線を4社紹介し、Office inuckのおすすめについても触れています。月額料金については全て固定IP1個の場合の税込価格です。

フレッツ光ネクストビジネスタイプ(NTT系)

フレッツ光ネクストビジネスタイプ(NTT系)
月額料金127,710円(プロバイダがOCNの場合)
通信速度最大1Gbps(概ねの値)
主な特徴・回線とプロバイダを別々に契約しなくてはならない
・全国をカバーしている
・専有型なのでセキュリティも安心

全国をカバーした安定感が強み

通信速度は最大で概ね1Gbpsと、標準的なインターネット環境を備えたフレッツ光ネクストビジネスタイプは、NTT東日本・西日本が提供する法人向け回線です。快適さに加え、日本全国をカバーするエリアの広さも多くの企業から選ばれる理由になっています。

専有型なのでセキュリティ対策も万全

フレッツ光ネクストビジネスタイプの法人回線は「専有型」を採用しているため、周囲の回線から影響を受けることがありません。これは安定した通信速度を実現するだけでなく、セキュリティ対策においても大きなアドバンテージがあると言えるでしょう。

回線とプロバイダを別々に契約する点に注意が必要

フレッツ光ネクストビジネスタイプは、回線とプロバイダは別々に契約する必要があります。月額料金は127,710円としましたが、これは「フレッツ光ネクストビジネスタイプ(45,210円)+OCNプロバイダ(82,500円) 」の場合の価格です。プロバイダについては、各エリアから対応プロバイダを自由に選択できます。

イーサシェア(KDDI系)

イーサシェア(KDDI系)
月額料金・1G:330,000円(関東エリアのみ)
・100M:193,600円(関東エリアの場合)
通信速度最大1Gまたは100Mbps
主な特徴・専有型で安定した通信速度
・ベストエフォートタイプ
・障害時は自動切り替えなど、手厚いサポート体制

料金は高めだが回線とプロバイダがセットになっている

KDDIが提供するイーサシェアは、回線とプロバイダがパッケージ化されており、導入に際して戸惑う点がありません。料金プランは、通信速度によって大きく2つに分かれています。通信速度が最大で1Gのプランは関東エリアのみで月額料金は330,000円です。

100Mプランはエリアによって料金が異なり、関東エリアの場合で193,600円、中部エリアと関西エリアでは217,800円となっています。

通信速度についてはベストエフォートタイプ

インターネット回線には、「ベストエフォート」と「ギャランティ」という2つのタイプがあります。これは通信速度についての用語で、「ギャランティ」は回線業者が示す最大通信速度を「保証する」ことを意味しています。

ベストエフォートは最大限に努力した場合の数値であり、実利用時は必ずしも示された最大通信速度とはならない場合もあります。しかし、ギャランティタイプはコストがかかるためユーザーの利用料金も高額となり、コストパフォーマンスの観点からベストエフォートを採用しているのです。さらにサービス品質保証制度のSLAもあるので、安心して利用できます。

手厚いサポート体制に強みがある

イーサネットは、障害時には回線の自動切り替えによって即時復旧を可能にしており、トラブル時の対応に強みがあります。パッケージ化されたサービスに万全のサポート体制が加わることで、快適なインターネット環境を作っているのです。

光ビジネスアクセス NEXT(USEN系)

光ビジネスアクセス NEXT(USEN系)
月額料金・上り1Gコース:42,000円
・上り500Mコース:26,000円
通信速度最大1G
主な特徴・他社に比べて月額料金が安い
・下りはいずれのコースも1Gbps
・オフィス移転に伴う作業も代行する充実のサポート体制

リーズナブルな月額料金

USENが提供する光ビジネスアクセス NEXTは、最大通信速度が上り1Gか500Mかによってプランが分かれています。月額料金は1Gの場合は42,000円、500Mは26,000円です。いずれのコースでも下りは同じ1Gbpsとなっており、上り回線の通信速度だけが差になります。光ビジネスアクセス NEXTの月額料金については、競合他社と比べるとリーズナブルで、コストパフォーマンスを重視するユーザーにとってはより魅力的となるでしょう。

専有型の安定したインターネット回線

光ビジネスアクセス NEXTは、1社で巨大なバックボーンを管理しています。ベストエフォートタイプの専有型回線はUSENからダイレクトに提供されるので、混雑やセキュリティの心配もいりません。またSLAも付くため、仮に通信速度が規定値を下回れば、返金対応も行います。

移転時の作業も代行する充実したサポート

光ビジネスアクセス NEXTのユニークなアピールは、オフィス移転に伴うインターネット回線の作業代行です。オフィス移転に際してインターネット回線の見直しを検討している場合には、パッケージ化された光ビジネスアクセス NEXTがマッチするでしょう。

NUROアクセススタンダード(NURObiz)

NUROアクセススタンダード(NURObiz)
月額料金18,850円
通信速度最大2Gbps
主な特徴・共有型
・最新通信技術G-PONを採用
・帯域確保型回線

最大2Gの高速通信

NUROアクセススタンダードは、NURO光で知られるソニービズネットワークスが提供する法人向け回線です。下り最大2Gの高速通信は業界最速で、上りでも1Gとなっています。

月額料金はわずか18,850円

リーズナブルな価格も、NUROアクセススタンダードの大きな特徴です。初期費用が203,000円と他社との比較では高額ですが、2年契約の場合は初期費用が実質無料になるため、長期契約に向いているでしょう。

最新テクノロジーと共有型のハイブリッド

NUROアクセススタンダードは共有型と同時に、最新通信技術G-PONを採用しています。このG-PONは従来型に比べ伝送効率が28%向上しており、さらに帯域確保型回線によって最低10Mbpsを確保することで、共有型の弱点を補っているようです。

Office inuckおすすめのインターネット回線

10人以上の企業やオフィスの場合、Office inuckはNURObizのNUROアクセススタンダードをおすすめします。月額料金18,850円と最大2Gの高速回線はコストパフォーマンスに優れており、2年以上の契約なら初期費用も無料になるのは大きな魅力です。

注意点としては、NURObizのNUROアクセススタンダードは、納期に2ヶ月程度を要する場合があることです。そのため、時間的余裕を確保して申し込みをされるのがおすすめとなります。

まとめ

法人インターネット回線の選び方とおすすめについて紹介しました。個人回線と異なり、法人向け回線は混雑のない安定した回線とセキュリティ対策がなされた、ビジネスに最適なインターネット回線になります。

法人回線を提供する業者は、それぞれに特徴のあるサービスを展開しています。回線とプロバイダがパッケージされているか、月額料金をなるべく安く抑えたい、安定した高速回線など、ユーザーは重視するポイントを明確にして選択するのがおすすめです。