オフィスづくり

コンクリート打ちっ放しオフィスのメリット・デメリット

コンクリート打ちっ放しの内装は、スタイリッシュで無機質な素材感が魅力のデザインです。おしゃれな店舗やデザイナーズマンションでよく取り入れられるデザインで、そのかっこよさに憧れる人も多いのではないでしょうか。

実は「内装には向かない」と言われることもあるデザインで、オフィスに取り入れるには注意点があります。

この記事ではオフィス移転でコンクリート打ちっ放しの物件を検討中の方や、すでに移転が決まっている方に向けて、メリットとデメリットの両方について解説していきます。特徴や注意点を知れば、快適なオフィスづくりのヒントになりますよ。

コンクリート打ちっ放しとは

コンクリート打ちっ放しとは、鉄筋コンクリート造の建物の躯体をそのまま活かした仕上げ方法のことです。

通常は躯体に壁紙や塗装などで仕上げをしますが、あえて見せることで独特の素材感が楽しめます。打ちっ放しは内壁・外壁に採用でき、耐水性を高めるために外壁には撥水剤の塗布が行われます。

以下の画像から、打ちっ放し仕上げのイメージをいくつかみてみましょう。

コンクリート打ちっ放しオフィスのメリット

コンクリート打ちっ放しにするメリットは、見た目のおしゃれさだけではありません。オフィスを打ちっ放しにする3つのメリットについて、ひとつずつ解説していきます。

防音性に優れている

鉄筋コンクリート造は遮音性・防音性に優れています。

周囲の音をしっかり遮音して仕事にも集中できる環境は、オフィスにもピッタリ。音楽や映像などを流す社内イベントや勉強会でも、外部への音漏れを気にせず気軽に行えます。

耐火性が高い

コンクリートはとても火に強い素材です。1,000℃の火の中でも数時間耐えられるほどの高い耐火性を備えています。

たくさんの人が出入りするオフィスなので、耐火性の高さは安全面から見ても大切な要素でしょう。また木造と比べて火災保険の費用が安く抑えられるところも、うれしいポイントです。

開放的な空間にできる

一般的な住宅などは建物を支えるために一定間隔で柱が必要になりますが、コンクリート打ちっ放しの場合、木造と比べて柱と柱の間隔を広く取ることが可能です。

壁で建物を支える構造なので、スッキリした見た目の開放的な空間が実現できます。広々とした開放感のあるオフィスは、社員が快適に働くための環境づくりにも役立ちます。

コンクリート打ちっ放しオフィスのデメリット

機能的でメリットの多いコンクリート打ちっ放しのオフィスには、デメリットもあります。3つのデメリットをひとつずつ確認してみましょう。

室温の調整がむずかしい

コンクリートは熱伝導率が高く、外気温の影響を受けやすいのが特徴です。

外気温の寒さや暑さがダイレクトに室内に伝わりそのままキープされるため、冷暖房の対策をしてもなかなか適度な室温にはなりません。そのため冬の寒さや夏の暑さの影響を受けて、光熱費が高くなる傾向があります。

結露やカビが発生しやすい

コンクリートは吸水性が高いため、防水処理が必要です。適切な処理をしていなければ、表面から水分を吸い込んでカビの原因になってしまいます。

また熱伝導率の高さから冬場は外部の冷気が伝わり、室内の暖かい空気を冷やして結露を発生させてしまいます。放置すればカビが発生するので、きっちり対策するようにしましょう。

汚れが目立ちやすい

コンクリート打ちっ放しの壁は壁紙や塗装で仕上げをしないため、カビや汚れが目立ちやすいのもデメリットのひとつです。

コンクリートは水分を吸収しやすい性質をもっているので、水分をこぼしたり油がついたりすると、シミとして残りやすくなります。クロス仕上げの内装の場合は汚れても張り替えができますが、コンクリート打ちっ放しの壁は日常的な手入れが必要です。

カビや汚れが目立つとせっかくの独特な雰囲気も損なわれます。定期的なメンテナンスでカビや汚れを防止する対策が重要です。

コンクリート打ちっ放しオフィスの注意点

コンクリート打ちっ放しのオフィスには、メンテナンスが不可欠です。コンクリートの素材感を長持ちさせておしゃれなスタイルを持続するためには、カビ対策が必要になります。

オフィスの場合は、基本的に内装のメンテナンスがとても重要です。打ちっぱなしの壁は「クリヤー塗装」で表面を保護することで、コンクリートの質感を活かしつつ耐久性や防水性を高めます。

さらに梅雨時など湿度の高い季節には、除湿機の使用や窓を開けて換気することが大切です。換気を徹底し、カビを発生させないように注意しましょう。

コンクリート打ちっ放しオフィスまとめ

コンクリート打ちっ放しのスタイルは、特徴やメリットも含めてオフィスの内装に向いています。無機質でスタイリッシュな印象のコンクリートの質感を活かすように、家具も派手すぎず無駄のないデザインを選ぶのがおすすめです。

今回紹介した注意点への対策をしっかりとして、社員のやる気をアップさせるような素敵なオフィスをつくる参考にしてみてくださいね。