モノ紹介

オフィスチェアの選び方とおすすめ製品③ 中価格(3~10万円)編

こんにちは。オフィスチェアを選び続けて20年、インテリアコーディネーターのinuck編集部トミーです。

社会人最初の会社は家具業界ではなかったので、グレーの事務用椅子にひも付き座布団を敷いて仕事をしていました。ビニールレザーに穴が開いていてギシギシと音が鳴る古い椅子だったで、座り心地を少しでも良くするために座布団を敷いていたのでした。その後、縁あってオフィス家具の会社に転職し、日常的に良いオフィスチェアに座るようになると、椅子が良いと体への負担が全然違うということを身をもって実感しました。

良いオフィスチェアに座るようになって気が付いたことがもう1つあります。それは、良いオフィスチェアでもサイズが合わないと座り辛いということです。ここで言う良いオフィスチェアというのはエルゴノミクス(人間工学)を考慮した椅子なのですが、その人間工学のモデルとなっている人間よりも小柄な人は椅子の中で体が動いてしまったり、かかとが床につかなかったりと椅子が身体にフィットしません。フィットしないまま座っていると、いくらエルゴノミクスチェアでも身体への負担は逆に大きいものとなってしまいます。

近年は働き方改革で好きな場所を選んで働くことができるオフィスも多くなりました。社員が自分に合ったオフィスチェアを選べるように、オフィスチェアのバリエーションをいくつか持つのも社員満足度向上に一役買うことと思います。

前置きが長くなりましたが、今回はシリーズ3回目「オフィスチェアの選び方とおすすめ製品 中価格(3~10万円)編」となります。

1回目の記事にも書きましたが、オフィスチェアとしてデザイン性・機能性ともにバランスの取れた充実の価格帯となり、選択肢がぐっと広がります。

低価格編はアームなしで3万円以下のチェアも多く登場しましたが、この中価格(3~10万円)以降はアーム付きでこの価格帯のチェアをご紹介していきます。低価格(3万円以下)の商品もアームやオプションの追加でこの価格帯になりますので、ご注意ください。

①コスパのいいチェア3選

コスパというのは定義が難しいところだと思うのですが、私の基準としては機能性の高さや座りやすさの割に価格が抑えられている、という点になります。

機能性とは具体的に、

  • ランバーサポートあり
  • リクライニング角度調整
  • 可動肘付き(上下左右前後)
  • 座面にサポート機構あり
  • 座面高さ調整
  • 座奥調整

の6つの機能を指し、今回選んだ3種のチェアはどれもその機能を満たしているチェアになります。

オフィスチェアの機能性は長時間座ったときの体の疲れに直接関係します。機能性の高いチェアは座ったら、まず最初に自分の体形に合わせて調整をしてください。椅子の奥深くに腰かけて、少なくとも座面高さの調整とリクライニング角度調整だけはしましょう。

スチールケース | シリーズ-1(Steelcase | Series-1)

スチールケース(Steelcase) シリーズ-1(Series-1)
スチールケース | シリーズ-1
(Steelcase | Series-1)

¥ 54,900(税抜) :2021/5/27現在

世界最大のオフィス家具メーカーであるスチールケースのシリーズ-1は、見た目のかわいらしいデザインからは想像できない座りやすさです。座面に体重感知機構が組み込まれており、体の動きに合わせて形を変えて座る人をフォローしてくれます。ハイスツールタイプも¥ 69,900(税抜) (2021/5/27現在)で同機能なので、ハイカウンターとの組み合わせでも人気です。保証期間も8年と長く(注:張地などは除く)、メーカーの製品に対する自信がうかがえます。

シリーズワン Series1 ブラックフレーム Black frame アジャスタブルアーム 可動ランバーサポート 背3Dニット 座クロス張り Steelcase(スチールケース)

ウチダ | セレッツァ(Uchida | Sellezza)

ウチダ(Uchida) セレッツァ(Sellezza)
ウチダ | セレッツァ
(Uchida | Sellezza)

¥ 67,950(税抜) :2021/5/27現在

国内オフィス家具メーカーの一角を担うウチダの2018年グッドデザイン賞受賞のオフィスチェア「セレッツァ(Sellezza)」。ひねる動作に追従するフレーム構造が特徴です。シンプルながらきれいなデザインでヘッドレストもメッシュなので見た目に統一感が出ます。保証期間は一般社団法人日本オフィス家具協会(JOIFA)の「オフィス家具-製品安全基準のガイドライン」に基づいて3年(注:張地などは除く)となっています。

Sellezza(セレッツァ)シリーズ SA-340ML-BS 5-356-3406

オカムラ | シルフィー(Okamura | Sylphy)

オカムラ(Okamura) シルフィー(sylphy)
オカムラ | シルフィー
(Okamura | Sylphy)

¥ 79,500(税抜) :2021/5/27現在

国内最大手のオフィス家具メーカーのオカムラは、日本の企業にちょうどいい家具が数多くそろっています。このシルフィもその1つで、背もたれのカーブの角度をレバーで変えることで小柄な人から大柄な人まで背中にフィットする背もたれとなっており、包み込まれるような座り心地です。保証期間は以前は3年だったのですが、2021年1月5日以降に購入した物に関しては8年(注:張地などは除く)となりました。

シルフィー sylphy ハイバック 背メッシュタイプ アジャストアーム ブラックボディ 樹脂脚 ランバーサポート付(オカムラ)

②デザイン性の高いチェア3選

”デザイン性が高い”とは好みの問題もあるので一概には言えないと思うのですが、これを導入するとオフィスの見た目が1ランク上がると思われるものをご紹介していきます。

ハーマンミラー | セイルチェア(HermanMiller | Sayl Chair)

ハーマンミラー(HermanMiller) セイルチェア(Sayl Chairs)
ハーマンミラー | セイルチェア
(HermanMiller | Sayl Chair)

¥ 76,000(税抜) :2021/5/27現在

セイルチェアはアーロンチェアで有名なハーマンミラー社のエルゴノミクスチェアの中で最も価格の低い商品として開発されました。手ごろな価格ながら十分な機能性も備えていて、帆船の帆のような背もたれはエラストマー材(硬いゴム)でできており、しっかりと支えてくれます。

メッシュ生地の柔らかさが苦手な人でも、セイルチェアの背もたれならしっかりしているのに硬くないから座りやすいと感じるようです。保証期間は12年(注:張地などは除く)と長いので、安心して使うことができます。

【正規品】 Herman Miller (ハーマンミラー) セイルチェア オフィスチェア ブラック BBキャスター 12年保証 AS1YA23HAN2BKBBBKBK9119

コンフォートワークスペース | エルゴヒューマンプロ オットマン(Comfort Workspace | Ergohuman Pro Ottoman)

エルゴヒューマンプロ オットマン(ERGOHUMAN PRO OTTOMAN)
コンフォートワークスペース | エルゴヒューマンプロ オットマン
(Comfort Workspace | Ergohuman Pro Ottoman)

¥ 99,800(税抜) :2021/5/27現在

こちらは一般席向きのチェアではなく、上長席向きのチェアです。エルゴヒューマンという名前からうかがえるようにエルゴノミクスに基づいてデザインされたチェアで、メッシュタイプなのでレザータイプのような頑張りすぎ感もなく、すっきりとした印象を与えるデザインとなっています。

ヘッドレスト、オットマン付きでアルミダイキャストレッグという高級感のあるデザインと高い機能性ながら価格は税抜き10万円以内で収まっています。高級なオフィスチェアは税抜きで10万円以上するものが多い中で、この価格はお得感のある価格なのではないでしょうか?一般席に導入する場合はオットマンなしのタイプをお勧めします。

エルゴヒューマン プロ ハイタイプ オットマン内蔵 幅670×奥720×高さ1110-1250mm EHP-LPL Ergohuman Pro

スチールケース | シルク(Steelcase | SILQ)

スチールケース(Steelcase) シルク(SILQ)
スチールケース | シルク
(Steelcase | SILQ)

¥89,900 (税抜) :2021/5/27現在

シルクは今までのチェアとは一線を画す薄い背もたれと流線型の美しさが特徴のチェアで、立ったり座ったりする人に椅子が合わせてくれるという機能を持っています。そのため操作できる部分は上下昇降のみとし、あとはカーボンと同じ性能を持つポリマー素材と構造が座る人の体にフィットさせてくれます。実際に座るとちゃんとリクライニングと適度な反発があり、よくしなるな、と感心します。操作できる部分が少なく、立ったり座ったりに向いているので、複数の人が使う会議室や共有スペースにもお勧めです。

シルク SILQ 固定アーム プラチナムソリッド/マール スチールケース Steelcase(スチールケース)

③好みは別れるが好きな人は大好きになるチェア3選

デザインや座り心地が他よりも特殊なので、好き嫌いが分かれるタイプのチェアを集めました。ハマる人はハマるけど、嫌いな人は全然ダメだよね、というタイプのチェアです。

イトーキ | スピーナ(Itoki | Spina)

イトーキ(Itoki) スピーナ(Spina)
イトーキ | スピーナ
(Itoki | Spina)

¥94,900 (税抜) :2021/5/27現在

イトーキのスピーナは、日本家屋の柱や梁の美しいバランス、立て格子の障子から入り込む柔らかな光などをデザインに取り込んでおり、透ける背もたれが美しいチェアです。背もたれ部分は樹脂とゴムの中間的素材「エラストマー」を縦リブ形状にデザインし、背面に「面」ではなく「線」で接触します。この「線」で接触する機構が好き嫌いが分かれるポイントで、人によっては痛いと感じる部分ですし、人によっては涼しくて気持ちがいいと感じるところです。

ITOKI(イトーキ) Spina スピーナ エラストマータイプ ブラックベース アジャスタブル肘付 幅680×奥行640×高さ1030~1146mm | KE-757GP-T1T1SG

デュオバック | デュオレスト DR-7501SP(Duo Back | Duorest DR-7501SP) 

デュオレスト(DUOREST) DR-7501SP
デュオバック | デュオレスト DR-7501SP
(Duo Back | Duorest DR-7501SP)

¥32,056 (税抜) :2021/5/27現在

デュオレスト DR-7501SPは今回ご紹介するチェアの中で一番安い物となり、アームなしタイプなら3万円以内で購入可能です。背もたれが2つに分かれている珍しいデザインで、この背もたれが2つに分かれていることで背中を包み込み腰への負担を減らす仕組みです。背もたれのデザインを「怖い」と感じる人と「かっこいい」と感じる人がいることと、背中が包み込まれることに好き嫌いが分かれるチェアですが、この座り心地にファンになる人も多くいます。

デュオレスト オフィスチェア ブラック 可動肘 メッシュ地 可動ヘッドレスト 腰痛対策 姿勢サポート DR-7501SP 1ABK1

トレイン | アーユル・チェアー オクトパス(Train | Ayur-chair Octopus) 

アーユル・チェアー(ayur-chair) オクトパス
トレイン | アーユル・チェアー オクトパス
(Train | Ayur-chair Octopus) 

¥52,800 (税抜) :2021/5/27現在

1つ前のチェアは背もたれが2つに分かれていましたが、こちらは座面が2つに分かれているチェア、アーユル・チェアー オクトパス。足を軽く開いてまたぐような形で少しお尻を突き出すように深く座ることで、座骨を立てて座ることができるので骨盤が安定します。正しい姿勢で座らせてくれるチェアなので、慣れないうちは長く座れないかもしれません。こちらも座り心地とデザインに好みが分かれますが、この骨盤を立てる座面にハマる人はハマるチェアです。

アーユル・チェアー

おわりに

さて、中価格帯のオフィスチェアはいかがでしたか?

どのチェアにも言えることなのですが、人によって合う合わないがあります。Aさんが褒めちぎっていたチェアがBさんにもフィットするとは限らないのです。体型が近い人や仕事内容が近い人だと、ある程度似たチェアを気に入るかもしれませんが、最終的には相性となります。購入前にはなるべく実際に座ってみることをお勧めします。

次回は第4回目、高価格(10万円以上)の好み別のおすすめオフィスチェアになります。

お楽しみに!