近年では、オフィスにオープンスペースを採用する企業が増えました。その目的は、バウンダリー(境界)を取り払い、スムーズなコミュニケーションを期待したものです。それに伴い、会議室も縮小傾向にあります。しかし、オープンスペースの効果と同時に、プライベートな空間が確保できないという大きな問題点も出てきています。
フォーンブースは、オフィスのこうした問題を解決する手立てとして、近年注目を集めてきている存在です。本記事では、フォーンブースのメリットとデメリットだけではなく、おすすめ商品についても紹介します。
フォーンブース(電話ブース)とは

フォーンブースは、設置型の個室空間です。シンプルな設計のため、オフィスに直接手を加えるような工事の必要はありません。
フォーンブースは外界からの音を防ぐ遮音性に優れているだけでなく、内部の音を漏らすこともありません。オープンスペースのオフィスで集中したい時や、周囲の雑音をシャットアウトしてWEB会議を行いたい時に最適な環境を作り出します。
1人用のフォーンブースだけでなく、小規模の会議にも適した4人まで入れるものまでバリエーションにも富んでいるのも特徴です。通常の購入だけでなく、サブスクリプションを取り入れているフォーンブースもあります。

また、フォーンブースのことを「ワークブース」や「WEB会議ブース」と呼ぶケースもあります。これは、フォーンブースがただの電話ブースではなく、様々な用途に対応できる柔軟性がある点を表していると言えるでしょう。
フォーンブース(電話ブース)のメリット・デメリット
フォーンブースのメリットとデメリットについて紹介します。
メリット
- 防音性に優れ作業に集中できる
- 会議の内容が外に漏れない
- オフィスの雑音を避けてオンライン会議ができる
- 会議室不足の解決
- オープンスペースに簡単に個室が設置できる
デメリット
- 導入コストがかかる
- 人数の多い会議には向いていない
オープンスペースのオフィスに、大きな工事無しで防音性に優れた個室を設置できるのが、フォーンブースの大きなメリットになります。オフィスのコミュニケーションを大事にしながらも、会議室不足を簡単に解決できるのです。
デメリットとしては、導入コストが挙げられます。フォーンブース内は通常の個室同様にカスタマイズが可能です。各メーカーからは、カスタマイズに応じて椅子やソファー、テーブルなどもあわせて販売されています。
また、フォーンブースの多くは5人以上の多人数による会議には向いていません。しかし、近年は4人以下の少人数での会議が増加しているため、フォーンブースはこうした傾向にフィットするように作られています。
オフィス設置におすすめのフォーンブース
kolo コロ(関家具)

関家具が販売するkoloは、Solo(1人用)、Midi(1人用)、Duo(1~4人用)の3種類を展開しています。換気ファンによる空気の循環や、人感センサーによるLEDライトを備え、シンプル設計のため約2時間で組み立てられるのも魅力です。
https://www.sekikagu.co.jp/kolo/
Kolo Solo(1人用)は家具と家電のサブスクリプションを行うCLASによりサブスクリプションモデルもあります。
レンタル価格 : 月額 31,900 円 (税別)/*3ヶ月限定トライアルプラン価格
https://biz.clas.style/product/486/.html
Telecube テレキューブ(OKAMURA)

オカムラのテレキューブは、建材製品のノウハウを活かし、遮音性や吸音性に加えて防火性にも優れている特徴があります。また、メンテナンス面でも配慮されており、天井板がフラットで掃除しやすい工夫が施されています。
https://www.okamura.co.jp/product/others/telecube/
テレキューブはWEB会議システムを得意とするブイキューブによりサブスクリプションモデルがあり、1人用、2人用、4人用と選択可能です。
1人用レンタル価格 :12ヶ月プラン:69.800円/月(税別)
https://jp.vcube.com/service/telecube
We Booth(アイリスオーヤマ)

アイリスオーヤマのWe Boothは、天井がないフォーンブースなので原則消防法への対応がなく、導入負担を大きく軽減しています。カスタマイズ性に優れた設計から設置、そして電気関係のセッティングまでがパッケージになっており、フォーンブースのスムーズな導入を実現しています。
https://www.irisohyama.co.jp/b2b/kensou/products/webooth/
framery O(framery)

frameryは、フィンランドのオフィス家具メーカーで、そのデザイン性の高さと機能性が評価され多くの企業で導入されています。1人用のframery Oと4人まで使えるframery Qが販売されており、機能性とデザイン性を両立させたフォーンブースには、インテリアとしての魅力もあります。
https://www.interoffice.co.jp/brand/framery/
WORK POD (KOKUYO)

KOKUYOのWORK POD(ワークポッド)は、機能性に重点を置かれた1~2人向けのフォーンブースです。換気性能の高さがアピールされており、衛生面を重視するユーザーにマッチするでしょう。デザイン面でも無駄がなく、どんなレイアウトのオフィスにも調和する柔軟性を持っています。
https://www.kokuyo-furniture.co.jp/products/office/workpod/
2021年1月からはクローズド環境でも飛沫を防止し対面でのミーティングが可能な「WORK POD(ワークポッド)1on1タイプ」を、発売しました。中央をガラスで仕切られていてマイクでお互いの声が聞こえるので、対面でありながら飛沫を防止できます。
導入の注意点

フォーンブースは家具のように導入できますが、消防法上は個室の扱いになる場合があり、防災設備が必要となることが多いです。ビルの階数や仕様により、自動火災報知器、煙感知機などが必要になることもあります。高層階の場合、スプリンクラーなどの消火設備も内部に設置する必要が出てくる点にも注意しなければならないでしょう。スプリンクラーをフォーンブース内に設置する必要がない場合でも、天井とフォーンブースの隙間が狭い場合は障害となり、スプリンクラーや非常用スピーカーを増設または移設しなければならないケースもあります。
フォーンブースは小さい物でも1m×1m×2m以上あるので、搬入設置にコストがかかります。フォーンブースの部材は大きく分けてガラス部分と横のパネル部分と繋ぎ部分に分かれます。ガラス部分は1m×2mくらいなのエレベーターが狭い場合は乗せることができず、階段を人力で持ち上げることになり人件費が大きくなるのです。
また、フォーンブースは内部に電源を通したり防災設備を入れたりと配線があるので、設置した後は気軽に動かせません。購入前には必ず、ビル管理会社とフォーンブースやオフィスの消防に詳しい人に相談することをおすすめします。
壁掛けテレフォンブース
上記の注意点を避けたい方は、「壁掛けテレフォンブース」のような簡易的なテレフォンブースもご検討ください。
こちらは壁に向かって話をすると、囲んでいるフェルトが吸音してくれるため、集中して電話がしやすい商品です。個室タイプに比べて設置が簡単で安価なことがメリットですが、機密性は低いのが難点になります。
モバイルフォンブース

https://www.adal.co.jp/products_atic/mobile-phone-booth/
BuzziHood バジーフード

https://www.wsi.jp/product/buzzihood/
導入事例
多くの企業で導入されているテレフォンブースですが、導入事例の一部をご紹介します。
framery
- Microsoft
- PUMA
- Mcdonald’s
- TESLA
- SIEMENS
WORK POD(KOKUYO)
- 霞が関オフィス
- カオナビ
- ユナイトアンドグロウ
テレキューブ(OKAMURA)
- マイナビ
- DeNA
- 大塚倉庫
まとめ
フォーンブースのメリットとデメリットから、おすすめ商品についても紹介しました。オープンオフィスの増加によるプライベート空間に対する需要と、WEB会議の増加による会議室不足を同時に解決できるのが、フォーンブースの大きなメリットです。
導入コストや消防法への対応がデメリットにもなりますが、サブスクリプションでの導入や消化剤が内蔵されているモデルを検討することもできます。コミュニケーションを重視しながらもオンライン会議に対応したい、周囲の雑音から逃れて集中したい時にフォーンブースは最適ですよ。