居抜き

居抜きオフィスの壁・床・天井のDIYで内装費を削減するコツ

居抜きオフィスに移転する際、DIYでオフィスの内装費を削減できないだろうか……と思っていませんか?

結論は、できます!

オフィスをキレイに掃除して、壁や床を貼り替えて天井を塗装するだけです!

といっても、それが難しいのですが、最近の建築材料は簡単に施工できるようになっているのです。壁や天井に塗るだけだったり、床に置くだけといった材料でも、それだけでオフィスを美しくおしゃれにしてくれるものが多くあります。慣れていないと大変なことは多いかも知れませんが、業者へ依頼するより遥かに費用を抑えられますよ♪

この記事では、居抜きオフィスの壁・床・天井のリフォームをDIYすることで内装費削減ができるコツをお伝えします。

ぜひ、これからお伝えするDIYのポイントを参考にしていただき、たくさんのアイデアとデザインで最高のオフィスにしましょう!

※DIY:「Do it yourself」の頭文字をとった略。自身で何かを作ったり修繕する事。

居抜きオフィスをDIYするメリット

「居抜きオフィス」とは、従前の契約者が使用していた状態のまま退去した空き物件のことです。時代にあった働き方とともにオフィスのあり方も見直され、現在では新たな選択肢として注目されています。

すべてのオフィス家具がありインターネット回線も整備されている物件や、机と椅子が残っているだけの物件など、それぞれ室内の状態や残されている設備の条件は異なる「居抜きオフィス」ですが、DIYするメリットは、スケルトンオフィスのDIYや業者に依頼するより遥かに大きいです。

それでは、居抜きオフィスのDIYにはどのようなメリットがあるのかについてご説明しましょう。

①DIYで内装費削減と納得のデザインに

居抜きオフィスのDIYは従前の契約者の設備を有効利用することで全体的な内装費を抑え、さらに使用する材料のグレードを部分的に変えることで材料費も安く済ませることが可能です。

また、DIYなら自由な発想でオフィスのデザインを設計し、費用にあわせた施工ができるので、出来栄えに関係なく納得のいくデザインや雰囲気に仕上げられる期待が持てます。

②快適な環境を作るDIYで生まれる愛着

居抜きオフィスのDIYなら、スタッフが求める快適な環境を低コストで実現することが可能です。コミュニケーションが取れる配置や仕事のONとOFFができる空間、使い勝手の良いオフィス家具などが仕事の成果やモチベーションにつながります。

スタッフとともに様々な想いを通して完成したオフィスには嬉しさとともに愛着が湧き、失敗した箇所も当時の希望や目標を思い出させてくれ、スタッフの共通認識が絆を強くします。

居抜きオフィスDIYポイントや注意点

では、居抜きオフィスのDIYポイントや注意点を4点ご紹介しましょう。

①居抜きオフィスではDIYできるところが限られている

居抜きオフィスは従前の契約者が使用していた状態を引き継ぐため、オフィスのレイアウトや壁、床、天井、テーブルやデスクといった建物に影響を与えない、限られた範囲でのDIYが可能です。

逆に、配管工事、電気、ガス、水道などのインフラ設備で資格が必要な作業はDIYできません。柱や梁、階段、窓や玄関ドアの開口部もまた、耐久性が重要な部分なためDIYできない部分とされます。

このように、居抜きオフィスではDIYできるところが限られています。

②原状回復と内装工事の範囲を確認する

居抜きオフィスでも退去時に原状回復が必要な物件や、テーブルやデスクなど什器のレイアウト変更ができない物件があるので、事前にオーナーに確認しなければなりません。

③設備に関する点検と変更箇所を確認する

建物の築年数や引き継ぐ設備の年数によっては、どの程度使えるのか分からないこともあり、特に電気、水道、ガスなどの設備点検は非常に重要です。

給湯器はガス漏れの危険性があり、エアコンは配管損傷によるガス漏れが原因で性能低下などの問題が生じるため業者に依頼すると安全です。

DIYを始めると夢中になりますが、時間をかけすぎると家賃が発生するため、工期はどれくらいで、どこまでDIYで済ませるのか明確にしておきましょう。

居抜きオフィスをDIY〜壁〜

視覚にダイレクトに入ってくる「壁」は、DIYでオフィスのイメージを伝えることができます。

壁の種類はクロス、塗装、タイル、木材などで、漆喰壁や珪藻土、土ものに変えると趣がでますが、硬さの調整やこてを使いこなす技術が必要です。

壁紙の上から塗れるペンキや漆喰は比較的簡単で、黒板やマグネットなどの特殊機能塗料も良いアクセントになり、オフィスカラーで統一することもよくあります。

ここでは、居抜きオフィスの壁をDIYする際の3つの主な手法をご紹介しましょう。

①オーソドックスな手法

オーソドックスな手法として、以下のようなものがあります。

  • 壁全面あるいは上下を塗り替える
  • 腰壁材を使う
  • 重くない陶器や木材ブロックを壁にバランスよく配置する

壁の塗装作業時は塗らないところをマスキングテープで保護し、床にも養生シートを敷いて保護すると良いでしょうします。また、腰壁材を使うと高級感を演出することが可能になります。

②簡単にイメージを変える手法

簡単にイメージを変える手法として、壁に直接

  • イラストを描く
  • ウォールステッカーを貼る
  • インテリア用のマスキングテープを貼る

などがあります。

これらは、デザイン力が出来上がりを左右します。

③空間を広く見せる手法

空間を広く見せる手法として、以下のようなものがあります。

壁に大きな鏡を貼る

壁に大きな鏡を貼ると、空間を広く見せるのに効果的です。ボンドコーキングは下地にクロスがあると接着が弱くなるので注意しましょう。

ディアウォールを使う

ディアウォールは、塗装した2×4(ツーバイフォー)材や1×4(ワンバイフォー)材を用いて壁を傷つけずに板壁ができるので、壁面緑化やピクチャーレールなどを使い、組み立て方次第で色々デザインを楽しむことができます。

なお、基本的に重くない素材は両面テープかボンドで接着しタッカーで固定すれば大丈夫ですが、原状回復が必要な物件なら両面テープを外したときに壁を傷つけないために接着力の強すぎないものを使うほうが無難です。

居抜きオフィスをDIY〜床〜

居抜きオフィスの床をDIYするだけで、一気にオフィスの雰囲気が変わります。

ここでは、簡単に床をDIYできるタイルカーペット、フロアタイル、フローリングなどについてメリットとデメリットについて触れましょう。

タイルカーペット

タイルカーペットは低価格でラインナップが多く、様々な場所に使われています。

メリット

  • 壁の角や隅といった部分などにあわせてカットしやすく扱いやすい。
  • デザインや柄が豊富でオフィスのスペース分けや模様替え、配置換えに便利。
  • 専用ボンド(ピールアップボンド)は何度でも貼り直しができる上、再度塗り直しは不要なため、DIY初心者でも失敗の不安がない。

デメリット

  • 年数が経過すると接着剤の施工方法によって、ズレや隙間が生じる。
  • 絨毯やカーペットに比べると衝撃吸収性が劣るため防音効果が少ない。
  • 異なる材質の床材を使用する際、接着剤の処理が必要な場合がある。

フロアタイル

フロアタイルは塩ビ素材の床材のことで、並べて貼るだけの手軽さからDIYでよく使われています。

メリット

  • 壁の角や隅などにあわせてカットしやすく扱いやすい。
  • 木目調や石目用などがあり様々なデザインも多種多様や、厚みがある5ミリのもの、ピールアップボンドで施工できるタイプなどもあり、オフィスのスペース分けや模様替え、配置換えに便利。
  • リアルな質感に加え、耐久性や耐水性に優れており、一部分が破損した場合も1枚だけ貼り替えれば済んだりと、メンテナンスもしやすい。

デメリット

  • 硬い素材なのでクッション性はなく、素足で使用する場合は冷たく感じる。
  • 防音性がないため、防音対策が必要な場合は遮音下地材が必要になる。
  • 耐水性はあるが、目地の隙間から水分が入り込むことがある。

フローリング

フローリングは木材系の材料を使用した床材のことで、天然木の無垢材と合板に木目調の素材を貼りつけたものがあります。

メリット

  • ダニやカビなどが発生しにくく掃除がしやすいため清潔さを保てる。
  • 無垢材は、調湿機能があり経年変化や素材本来の風合いを楽しめる。
  • 合板は、品質や仕上がりが均一で手入れが簡単なものが多い。

デメリット

  • 湿度などで木材が伸縮し、隙間が空くことで床鳴りにつながることがある。
  • 水分に弱いため液体をこぼしたら変色する可能性がある。
  • 材質によりワックスがけが必要になる場合がある。
  • フローリングの施工は、寸法通りカットした材料をボンドで貼り、隙間がないように叩き込みつつ、固定しながら釘打ちを繰り返すが、初心者にはハードルが高いので業者に依頼するのが無難である。

以上、床をDIYする上で良く使用する床材についてご紹介しました。

手軽にできるオフィスの床のDIYでも原状回復が必要な物件の場合、ボンドで固定する床材は解体作業に労力が必要なので、DIYする際は作業の手間が省けるピールアップボンドあるいは、ボンドなしの床材を選ぶのが良いでしょう。

居抜きオフィスをDIY〜天井〜

居抜きオフィスでは、実は天井をキレイにDIYするだけで室内の明るさが全く違ってきます。

年数が経過している建物の室内はホコリやカビ、ヤニなどの汚れが付着していたり、天井埋込み式のエアコンも非常に汚れています。

では、天井をキレイにする方法をお伝えしましょう。

①汚れを落とし、予防する

DIYで簡単に天井をキレイにするなら、まず汚れを落とすことが先決で、静電気によって再びホコリが天井につかないように予防することが大切です

天井についた汚れには重曹やセスキ炭酸ソーダ、ヤニは中性洗剤、カビは次亜塩素酸ナトリウム入りの洗剤でカビを落としてからエタノールで除菌します。

ホコリの付着対策に、柔軟剤入りの水で洗った乾いた雑巾でさっとなでるように拭くと効果的です。

②塗装する

天井を低コストで美しく仕上げるには塗装が最適です。

塗装時は壁・床の塗らない部分すべてにマスキングテープなどを使って丁寧に養生しておきます。

塗料や刷毛、ローラーなどはホームセンターなどで購入できます。細かい部分を塗り分けることでキレイに塗装できますが、ローラーは塗料を多く含んでいると四方八方に飛び散りますので注意しましょう。なお、塗装は一度に厚く塗るのではなく、薄く二度、三度塗りするとキレイに仕上がります。

③照明でおしゃれ度を増す

照明は機能面だけでなく、デザインや光の使い方で一気におしゃれ度が増します。ダクトレールにワット数を考慮したスポットライトやペンダントライトで、理想の雰囲気にデザインしましょう。

まとめ

居抜きオフィスの壁・床・天井のリフォームをDIYすることで内装費削減ができるコツをお伝えしてきましたが、いかがでしたか?様々なアイデアとデザインを活かしたDIYで、居抜きオフィスをおしゃれで快適にできると思っていただけたのではないでしょうか。

建築業界における技術が進化して、扱いやすい機械や資材、簡単な作業で多様な効果をもたらす材料が増え、以前よりもさらにDIYで内装費の削減が可能になりました。

「やっぱり、大変だった!」と思うことがあるかも知れませんが、完成したオフィスを見ると、きっと「DIYして良かった!」と思うことでしょう。

低コストで気軽に行えるDIYでぜひ、おしゃれなオフィスづくりにチャレンジしてみてください!