居抜き

居抜きオフィス物件に入居が決まったら(事前準備編)

2020年からのコロナ禍により世界的に働き方の改革、見直しが強いられています。

こと日本でもテレワークや在宅勤務の導入、ネットワークなどを使用したオンライン会議や接客、打ち合わせなどで、これまで使用していた大きなオフィススペースが必要無くなったという企業も多くあり、企業の本社機能を今までの都心部から郊外などに移すというニュースも話題にのぼるほど、オフィス移転は増加しています。

その中でも特に感心を寄せられているのが「居抜きオフィス」です。前の入居者が使っていた内装や設備などをそのまま引き継ぐ形態の物件のため、イニシャルコスト削減の観点からも注目されています。

この記事では、居抜きオフィス物件に入居が決まった際に確認することや注意事項をはじめ、事前準備などについてご説明します。居抜きオフィスへの入居を検討している企業の方におすすめの内容となっていますので、ぜひ参考にしてください。

契約する前に確認する内容

移転できそうな居抜きオフィス物件が見つかり具体的な検討に入ると、様々な問題が出てくるでしょう。ここでは、居抜きオフィスを契約する前に確認する内容について触れていきます。

居抜きオフィスの内装を確認する

居抜きオフィスの最大のメリットは内装工事のコストを省き、初期投資を節約することにあります。オフィスに在勤する時間が長い会社では、壁紙やクロス、照明などが作り出すオフィス環境や雰囲気が心地良いか、企業のイメージにマッチングしているのかをしっかり確認しましょう。

例えばファストフードの内装イメージは「赤」や「オレンジ色」のような暖色系を思い浮かべますよね。暖色系は居心地に満足感を得やすいですが、短時間で欲求を満たしつつ、回転数を増やすなどの飲食店で採用されている空間構成になります。したがって、オフィスワークをする場合にはあまり適していません。

事務的な作業をする場合であればどちらかというと、太陽の光(昼白色や昼光色)に近い照明が良いですし、少し奇抜なクロスでは落ち着きません。そういった点も含め、居抜きオフィスの内装を確認する必要があります。

デスクや書庫などの残置物や、電話回線、ネット環境、空調設備などの設備を確認する

オフィス移転時のイニシャルコストを削減する観点からも重要なことがあります。それがデスクや書庫などの残置物や、電話回線、ネット環境、空調設備などの設備の流用、および活用ができるのか、もしくは、修理が必要なのかを確認することです。

例えば、大きなビルのテナントに移転するとします。空調設備の故障はオーナーが対応してくれる場合が多いです。インターネットや電話回線などの設備なども、現状の数で足りるのか、増設する必要があるのか、またその費用はオーナー側、もしくは入居者側が対応するのかなどの確認が大切になります。

また、デスクや書庫などのオフィス設備、会議用のテーブルやパーテーションなどのレイアウト要素は活用可能か、実際に働く環境や動線に合っているのかもしっかり確認、検討する必要があります。

さらに、何が元々あった設備なのか、もしくは入居時に買い足した物なのかを明確にするため、オーナーにはリストをもらう、または、こちらで作成して双方の食い違いが無いようにすることも、後々のトラブルを防ぐことになります。

退去時の条件を確認する

居抜きオフィスに入居する際、意識が薄れて見落としがちな事があります。それは、退去時の条件を確認することです。

飲食の業界ではよく見かけますが、ラーメン屋さんの後にラーメン屋さん、うどん屋さんの後にうどん屋さんなど、必要な設備、客席があれば問題ない場合であれば、そういった居抜き条件は多数あります。このように、居抜きで入居して、居抜きで退去するのであれば特段問題ないかもしれません。

しかしながら、オフィスは使い勝手や企業イメージ、仕事の内容も異なります。いくら居抜きで入居したからといって、そのまま退去できるとは限りません。社会的な情勢が変わったり、オーナーの意向でコロコロと退去条件を変更されたりすると計画が立てられません。

まずは、どこまで現状のまま退去する必要があるのかをしっかり確認して、退去費用の見積りをとっておきましょう。解約金や敷金、保証金等についての契約書確認なども重要な点です。そして、もし解約や退去する場合、オーナーや管理会社に通知する義務があります。

例えば、いつまでにどのような書類を提出する必要があるのか、どこまでの家賃、テナント料が発生するのかも大切です。比較的に小さなオフィスでは、退去の3ヶ月前でも大丈夫な場合もありますが、ほとんどの場合、6ヶ月前、もしくはそれ以上前に退去する意思を伝える必要があります。

入居計画に退去計画も検討する、退去計画も含めて移転計画と言えるでしょう。

物件を契約後に計画すること

さて、新しい入居先が決まれば、いよいよ移転するための業務が本格始動します。

行政関係の提出書類はもちろんですが、関係各社への告知、通達など、スムーズに行うために、マニュアルをしっかり作成して、作業に取り組みましょう。ここでは、物件を契約後に計画することを紹介します。

移転スケジュールの検討、作成

第一に、移転スケジュールの検討をし、スケジュール作成を行います。

まず、現在入居しているオフィスやテナントの管理会社、オーナーなどに解約する旨を伝えましょう。その後、移転の計画を社内に通達し、退去日や、移転先での稼働日を決定し、余裕を持ったスケジューリングにすることが大切です。

マニュアルの作成

次に、マニュアル作成をします。

移転、入居する日取りが決まれば、後は当日までに行うべき内容をマニュアル化し、社内の従業員で共通認識を持つと良いでしょう。特に担当者以外では把握できない箇所や、思いがけない事項なども発生します。しっかり検討し、マニュアル化することにより、抜けがないスムーズな移転作業が可能となります。

例えば、移転先に持っていく備品などのリスト、そのまま残してく残留物の詳細、廃棄してしまう選別などです。加えて、搬入や搬出方法も大切です。取り分けパソコンなどのOA機器はデリケートです。しっかり業者に依頼し、ネットワーク関係も同時に構築してもらうなど、色々なバリエーションがありますので、上手に活用しましょう。

各従業員の担当業務や割り当て、社外への告知なども大切です。特に企業用の封筒に記載している住所の変更や、メールアドレス、ホームページなどを使った告知も忘れずに行う必要があります。

電気通信系の作業

オフィスを移転する際、意外に重要なものが電話やネットワークのいわゆる「電気通信管理」といった電気通信系の作業です。オーナーや管理会社にしっかり相談して、指定業者に依頼する必要があるのか、どのような工事をしなければならないのかを把握しましょう。

目安は移転の3ヶ月前までです。それまでに依頼を済まさないと、いざ移転先で業務を開始しようとしても、土壇場で様々な予期せぬトラブルの可能性も出てきて、スケジュール的に厳しくなる場合があります。

個人の引っ越しと違い、利益を生まなければならない企業。その会社に関係する各社にも迷惑がかからぬように、しっかり対応しましょう。

書類の提出

オフィスを移転する場合、様々な書類を関係各所に提出しなくてはなりません。これも先ほど述べたように、個人の引っ越しとは比べ物にならないくらい重要かつ数も多いので、しっかり把握し、着実に完了していきましょう。

例をいくつかあげるとすると、郵便局には郵便物届出変更届を出し、一定期間転送してもらうようにしましょう。これにより旧住所と新住所でのタイムラグで起こる郵便物の紛失などを防ぐことができます。

消防関係の書類もあります。消防計画作成書や、防火対象物関係の工事届書、防火管理者の選任届出書です。これらは移転前に提出可能です。速やかに対応しましょう。

また、移転後にも提出書類がたくさんあります。登記の申請や税務関係、労働基準監督署などに新規登録や変更届出書など、きわめて重要な内容です。

忘れていたでは済まない書類が多くあるので、しっかり確認しましょう。

内装工事、レイアウトや動線計画

移転先が決まれば、内装工事、レイアウトや動線計画に取り掛かります。

現状の居抜き状態から、どれくらいの工事や手直しが必要なのか、しっかり計画を立てましょう。基本的には居抜きするオフィスが決まってからある程度の時間的余裕があるとします。その中で実際の業務に合わせたレイアウトやスペースを考え、必要な内容を盛り込んでいきましょう。

あと忘れがちなのが、企業名が入る看板や、エレベーター横に掲げる案内盤の確認です。来社する関係各社に向けて、分かりやすく目に留まるデザインを検討するなど、「サイン」的な観点からもしっかり確認しましょう。

また、防犯などのセキリュティも大切です。特に居抜き物件でイニシャルコストが削減出来る場合は、こういった部分に予算を回すこともできます。

引っ越し

いざ、引っ越しです。

先ほどもお伝えしましたが、精密機械やOA機器は専門業者に依頼すると、ネットワークの構築まで対応してもらえる場合もあります。しっかり業者に依頼しながら、何社か見積りをとってしっかり検討しましょう。

まとめ

居抜きオフィス物件に入居が決まった際の確認および注意事項、事前準備などについてご説明しましたが、いかがでしたでしょうか?

居抜きオフィス物件に入居することにより、たくさんのコスト的メリットがあります。ただ、企業の転居には変わりませんので、やるべき内容は多岐に渡ります。しっかりタスクを管理しながら、スムーズな手続き、素早い業務開始を目指しましょう。

本記事が、その一助となれば幸いです。